曹洞宗の歴史と文化

概要

一仏両祖

鎌倉時代に、「道元禅師どうげんぜんじ」が正伝の仏法を中国から日本に伝え、「瑩山禅師けいざんぜんじ」が全国に広められ、「曹洞宗」の礎を築かれました。このお二方を両祖と申し上げ、ご本尊「お釈迦さま(釈迦牟尼仏)」とともに、「一仏両祖いちぶつりょうそ」として仰ぎます。

歴史と文化

曹洞宗は、中国の禅宗五家の一つであり、唐の時代の禅僧・洞山良价(とうざんりょうかい)を開祖とします。洞山良价は、曹山本寂(そうざんほんじゃく)に法を嗣ぎ、「曹洞宗」の名を称しました。

日本における曹洞宗は、鎌倉時代初期に道元禅師(どうげんぜんじ)によって伝えられました。道元禅師は、臨済宗建仁寺の栄西禅師に師事した後、宋に渡り天童山で曹洞宗の天童如浄禅師より印可を受けました。帰国後、越前国(福井県)に永平寺を開き、曹洞宗の教えを広めました。

道元禅師は、「正法眼蔵」をはじめとする多くの禅書を著し、曹洞宗の思想を体系化しました。道元禅師の教えは、坐禅を重視し、日常生活の中で仏道を修行することを説いています。

道元禅師の後を継いだ瑩山禅師(けいざんぜんじ)は、永平寺を出て各地を遊行し、曹洞宗を広めました。瑩山禅師は、多くの弟子を育て、曹洞宗の基盤を築きました。

鎌倉時代以降、曹洞宗は日本各地に広まり、多くの寺院が建立されました。曹洞宗は、武士や民衆に広く信仰され、日本の仏教文化に大きな影響を与えました。

江戸時代になると、曹洞宗は幕府の保護を受け、さらに発展しました。この時代には、多くの曹洞宗の僧侶が活躍し、学問や文化の発展に貢献しました。

明治時代以降、曹洞宗は近代化に対応しながら、伝統を守り続けています。現在、曹洞宗は日本国内外に多くの寺院を持ち、活発な活動を行っています。

曹洞宗の歴史における主な出来事

  • 783年:洞山良价が曹洞宗を開く。
  • 1227年:道元禅師が中国から帰国し、永平寺を開く。
  • 1243年:瑩山禅師が永平寺を出て各地を遊行する。
  • 1608年:徳川家康が曹洞宗を保護する。
  • 1872年:明治政府による廃仏毀釈運動。
  • 1946年:宗教団体法施行。
  • 1999年:曹洞宗総合研究所設立。

曹洞宗の宗祖

  • 洞山良价(とうざんりょうかい):曹洞宗の開祖。
  • 曹山本寂(そうざんほんじゃく):洞山良价の弟子。
  • 道元禅師(どうげんぜんじ):曹洞宗の日本における祖師。
  • 瑩山禅師(けいざんぜんじ):道元禅師の後継者。