お彼岸

雲居寺の桜 法話

 『お彼岸』て、何でしょうか?

ご存じの方も多いと思いますが、私自身の頭の中を整理する意味で、できるだけ簡単にまとめてみました。

 今私たちが生活しているこの世界(時間・空間)を此岸(しがん)といい、悩みや苦しみの多い世界です。

 それに対し苦しみのない穏やかな世界を彼岸(ひがん)と言います。お釈迦様は彼岸に到るための方法を六つに整理して私たちに示してくださいました。それを六度の教えと言います。

 度は渡す(彼岸に)という意味です。すなわち、布施(ふせ)・持戒じかい・忍辱にんにく・精進しょうじん・禅定ぜんじょう・智慧ちえの六つの方法です。これらを身につけ、一緒に彼岸に到りましょうとお釈迦様は示しています。(貪らず、規律を守り、耐え忍び、勤め励み、静に考え、思いやる)

 この六度の教えは個々バラバラにあるのではなく、鎖のように繋がりあっています。ですからどれか一つが身に付き始めるといつの間にか、他の五つが身に付いていると言われます。難しいとは思いますがこの機会に心してみましょう。